貯金って日本円でするのが当たり前だと思っていませんか?日本円が当たり前過ぎて、他の選択肢を考えたこともないという方も多いのではないでしょうか。
銀行にある程度の預金はあるはずなのに、
生活する上での安心感を全く得られないという方。
毎月コツコツと貯金をしているはずなのに、目標の金額にはまだまだほど遠いという方。毎日懸命に節約しているけれども何かと出費が多くて、結局銀行の預金残高は平行線もしくは下降線をたどるばかりという方。
お金に関する悩みは人それぞれですが、ある程度貯金があっても安心できる時代ではありません。
せっかく日々節約に励んでいるのに、安心感や満足感が得られないのであれば、それは貯金がただの趣味になっているだけです。預金通帳を眺めているだけでは、資産を効率的に増やす方法を見逃がしてしまいます。更に言えば、せっかく貯蓄した日本円での貯金が、いつまでもその数字通りの価値を持ち続けてくれる保証もありません。
しかし、大丈夫です。年金や老後に対する不安、そしてコロナ禍のようなパンデミックがもたらした不況を念頭に置いたとき、「安定的な資産形成」を意識した蓄財生活を送っていないと不測の事態に対処できません。逆に言えば、自ら保有する資産を、安定した形、価値が下がりにくい形にしておく術を知り、その努力を続けていれば、不測と言われるような事態が訪れたとしても確実にリスクを減らした上で、あなたの将来を守ることができるはずです。
そのキーポイントとなるのが「為替」です。
今回は、為替というルールを活用して、現在の資産を「減らしにくい方法」「増やしやすい方法」をご紹介させていただきます。あなたが当たり前のように目にしている「〇〇万円」という預金には、実はさまざまな選択肢が与えられているのです。この選択肢を知ることが、安定した将来の資産構築のための第一歩です。知らないままでは、あなたの資産はいつまでも今のような不安を抱え続けるだけです。
Contents
日本円の評価とは?為替で日本円のもつリスクを回避しよう
為替とは?為替の基本の考え方と為替レート
「為替って難しそうで手が出せない」というのが最も多い意見ではないでしょうか。しかし、実はそんなことはありません。
簡単に言ってしまえば、為替とは、「現金以外の方法でお金のやり取りをする方法」のことです。例えば、あなたがインターネットで商品を購入したときに、代金の支払いはクレジット払いや銀行振り込みなどの方法によりますよね。わざわざ販売元に現金を持参することはないはずです。購入者であるあなたが銀行にお金を渡し、あなたから預かったお金を、銀行が販売元に渡すことによって支払いが完了します。現金を直接やり取りせず支払いができます。これもいわゆる「為替」です。
そして、このようなお金のやり取りが日本国外との間で行われたとき、通貨を交換しなければいけなくなります。アメリカで打っている商品は日本円を単位としては販売されていません。「1米ドルあたり〇〇円」という交換レート(これを為替レートと呼びます)が決められていますので、それに従って交換作業が行われます。
さて、問題は、この為替レートです。交換比率が定額なら気苦労はありませんが、社会経済情勢(貿易収支やインフレ率といったもの)などの影響を受けて、為替レートは時々刻々と変化をします。まずは、「為替レートは変化するもの」ということだけを頭に入れてください。
日本円に対する世界的な評価は?
かつて、日本円は世界的に見ても安心の通貨だとされていた時代があります。それは、日本の経済が右肩あがりに成長し、世界的な経済大国の一つに数えられるまでに至ったちょっと前までの時代のことです。国内産業が活性化し、国内でどんどん物を作り出して、国自体が豊かになっていった時代です。日本という国に対する経済的信頼性が高まったために、必然的に、日本という国が発行する「日本円」に対する信頼も高くなっていました。無自覚に日本円のみで貯金をしていたという方は幸運でしたね。
しかし、この時代は終わりました。
いわば日本は成長しきってしまった国です。現在は豊かな国に見えるかもしれませんが、これ以上の成長を日本国内だけの力で望むことができません。その経済的に頭うちの日本が発行する日本円についても、以前のような高評価を受けることが出来ないのは当然の帰結です。
日本円価値の成長率が頭うちの状態にあるということは、日本円の価値が今後目覚ましく上昇する可能性が極めて少ないことを意味します。価値が上昇しないということは、どれだけ良く見積もっても現在の価値を維持するだけ、基本的には価値が下落する可能性しかないということです。価値の上昇可能性が極めて低く、価値の下落可能性のみが存在する日本円で貯蓄をすることは、果たして正しい行為であると言えるでしょうか?
以下の表をご参照ください。S&Pの自国通貨建て長期国債の格付けに関するものです。
AAA |
オーストラリア カナダ デンマーク ドイツ オランダ スウェーデン ノルウェー シンガポール スイス |
AA+ |
フィンランド オーストリア アメリカ 香港 ニュージーランド |
AA |
フランス イギリス ベルギー クウェート 韓国 チェコ |
AA− |
台湾 エストニア カタール イスラエル スロベニア チリ |
A+ |
中国 日本 スロバニア アイルランド |
A |
アイスランド スペイン |
A- |
マレーシア サウジアラビア ボツワナ タイ メキシコ |
BBB+ |
フィリピン |
BBB |
イタリア インドネシア ロシア |
BBB- |
インド |
BB+ |
南アフリカ |
BB |
ベトナム |
BB- |
ブラジル トルコ |
ご覧の通り、日本国債の格付けは、2019年のものでA+の評価でしかありません。A+って凄いんじゃないの?と思われるかもしれませんが、AAAやAAと、上位陣には数多くの国がランクインしている中でのA+です。今後の経済成長率等が見込まれた結果、日本の経済状況は世界的に見ても昔ほど高くは見込まれていないのが現状です。
加えて、この段階の格付けは、世界規模の恐慌をもたらしているコロナ禍の影響が考慮されていません。東京五輪の開催見込みの期待を奪われる懸念のある日本に対しては、逆風しかない状況です。
為替を使って資産を構築しよう!今後オススメの通貨とは?
さて、ここまでで「どうしよう、日本円の貯金しかない…」と不安になられた人も多いことでしょう。しかし、大丈夫です。日本円のみの預金に対する危機感をもつことに成功した時点でファーストステップとして成功していますし、今はネットバンキング等でも簡単に外貨預金に組み替えることも出来る時代です。日本円での預金に疑問を持たれたのであれば、次に、「どの通貨に組み替えるのか」を検討しましょう。
この問いに対する答えは明確です。それは「米ドル」です。
米ドルは、為替市場の中で極めて多くの人に取引されている通貨です。取引量が多いので、価格変動の幅が大きくありません。つまり、急激な下落のリスクが極めて少ない通貨だと言えます。しかも、アメリカの経済成長は日本のように頭打ちという段階ではありません。現段階で極めて先進的な経済状況であるにも関わらず、今後まだまだ成長の可能性を秘めた国です。米ドルの価値もまた、成長期待を見込めます。
「でも、変化が少ないってことは、急激に上がることもないよね?」と思われた方。まさにその通りですが、実は米ドルは今だからこそ保有しておくべき理由があるのです。
それは、差し迫ったアメリカ大統領選挙です。アメリカ大統領選挙は、米ドル市場に極めて活発な刺激を与えます。新政権に対する政治的な期待感が、ドルの価値を高めてくれます。つまり、この今のタイミングこそ、預金を米ドルに組み替えるチャンスなのです。
さいごに
長らくの間、日本円は当たり前のように世界的な評価を受けてきました。そのような状況の中では、銀行には日本円で貯金するのが当たり前、という先入観をもってしまっていても仕方がありません。
しかし、何度も申しますように、日本円の価値は既に上限に達しています。価値が下がるしかない通貨で資産を形成するのは論外でしょう。将来に対する不安を確実に払拭するためにも、価値の下がりにくい通貨を選択して、賢く資産を形成していってください。