労働収入だけを収入源にして貯金をしても、預貯金の金利は超低金利が現実です。将来に備えてそろそろ投資を始めたいけど、リスクだけは抑えたいと思う方は多いでしょう。そんな方には長期的に分散投資ができる「つみたてNISA」がおすすめです。
初心者もリスクを最小限に抑えて税制優遇による節税対策も期待できる優れた制度です。では早速、初心者に「つみたてNISA」が適している理由を見ていきましょう。
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つみたてNISAとは?
「つみたてNISA」とは積立投資専用の少額投資非課税制度です。
わかりやすく言えば、投資の初心者も長期的に分散投資することで、リスクを抑えて積立投資ができる制度です。「つみたてNISA」の投資から発生した利益に対しては一定期間は非課税となります。年間40万円までの投資上限枠で得られた利益に対しては、最長20年間は非課税対象となります。
※余った非課税枠は翌年以降に持ち越すことができません。
税金が引かれないので、利益分をまとめて再投資に回すことができるのが嬉しいポイントです。積立投資としてはもちろん、税制優遇の恩恵を受けるために始める方も多いです。「つみたてNISA」は金融庁による制度のため、金融商品はすべて一定の基準をクリアした投資信託・ETF(上場投資信託)だけが揃っています。初心者の積立投資に適したものが厳選されているので、金融商品が選びやすいといえます。
積立投資でリスクを軽減
はじめての資産運用は「資金が減ってしまうのがやっぱり怖いな…」と思う方は多いでしょう。投資信託は定期預金のように元本保証がないので、「貯金の方が安全」とお考えの方もいるかと思います。確かに投資するタイミングを判断するのは投資のプロも難しいことです。
しかし、積立投資は投資信託・ETFといった一定額の金融商品を購入し続けて投資することで、ドル・コスト平均法の効果が期待できます。ドル・コスト平均法とは、資金を分割して、均等額ずつ定期的に継続して投資することです。
投資信託の基準価額、ETFの株価は変動するので、平均購入単価を下げることができます。そのため、相場が上昇したときに利益を出しやすくリターンのブレ幅を抑えられるのです。
積立投資の場合は決めた金額を長期的に投資することで、リスクを軽減に繋がるといえます。「つみたてNISA」は投資の対象が複数あるので、リスクを分散して投資することが可能です。積立投資は元本保証がなくても、長期的に運用することで利益が更に利益を生み出して資産を増やすことが可能できます。
初心者につみたてNISAを選ぶべき理由
数ある投資の中でも「つみたてNISA」が初心者に向いている理由を見ていきましょう。
長期にわたる積立投資・分散投資ができる
どんな投資もリスクゼロはありませんが、「つみたてNISA」は損をするリスクは少ないです。
「つみたてNISA」には元本保証の商品がないにも関わらず資金を増やすことができる理由は、長期的に積立投資を行うことができるからです。積立投資は長く続ければ続けるほど、一時的に大きな損失が出ても、また収益になる可能性が高くなります。「つみたてNISA」の非課税投資期間は最長20年間と長いので、大損するリスクは避けられるのです。20年間無理なくコツコツと続けることで、利益が更に利益を増やして、まとまった資金が貯まります。
「つみたてNISA」の金融商品は一定額の投資信託またはETFを購入して運用する仕組みです。投資信託は複数の株式や債券に分散して投資するため、リスクも抑えることができます。積立てした資産は好きなタイミングで自由に換金できるので、用途に合わせて住宅資金や教育資金などに活用できます。
「つみたてNISA」ならば、初心者でも低コストで長期にわたり積立投資が可能です。楽天証券の金融商品は100円から積立てできるので、まずは少額からはじめてみましょう。
投資タイミングの判断がいらない
「つみたてNISA」の一括投資はなく、積立投資のみとなっています。一般の投資信託のように売買タイミングを判断する必要がなく、毎月決められた金額を購入し続けて運用します。
難しい投資タイミングを判断する必要がなく、ほったらかし状態でも運用することが可能です。積みたてる頻度は取り扱いの金融機関によって異なりますが、毎日・毎週・毎月・隔月・3か月毎・年2回などから自由に選択できます。決まった金額を自動引き落としできるので、給料日などに合わせて都合の良い頻度で設定しましょう。
つみたてNISAの注意点は?
はじめての投資で「つみたてNISA」を選ぶ際に注意点があります。
元本保証はない
「つみたてNISA」の投資信託やETFは金融庁が厳選したものですが、定期預金や保険のような元本保証がありません。
運用中に元本割れの可能性があるので、初心者はあくまでも少額でコツコツとの長期運用することが大切です。少額投資を長期的に続ければ大きなリターンは得られなくても元本割れの大損を防ぐことができます。
損益通算の対象外
「つみたてNISA」の損失は損益通算の対象外となり計算することができないので注意しましょう。
「損益通算」とはトータルの利益から税金を計算することをいいます。
▽通常の取引の場合
- A証券会社の口座 50万円の利益
- B証券会社の口座 20万円の損失
- トータルの利益
50万円(利益)−20万円(損失)=30万円
上記の場合は利益と損失の両方が出て、トータル利益は30万円です。税金はトータル利益の30万円をもとに計算される税金の負担を軽減できます。しかし、「つみたてNISA」の場合は損失は損益通算の対象外となり、損益通算ができません。
▽「つみたてNISA」の場合
- A証券口座 50万円の利益
- B証券口座(つみたてNISA口座)
損益通算は不可となり、利益50万円に対して税金が計算されます。
つみたてNISAを始める際の金融機関の選び方
「つみたてNISA」の投資商品は様々な金融機関から販売されています。通常は銀行や対面型証券会社よりも、ネット証券のほうが手数料が安くなっています。
しかし、「つみたてNISA」の場合はどこを選んでも売買手数料と口座管理料は無料です。各金融機関による手数料の差はありませんので、取扱商品を比較しましょう。
銀行や対面型証券は投資商品が3~10本程度と少ないですが、ネット証券は130本以上も品揃えが豊富に揃っています。例えば、大手のSBI証券、楽天証券、松井証券、カブドットコム証券、マネックス証券が挙げられます。
まとめ
「つみたてNISA」は少額から長期的なスパンで分散投資できるのが最大のメリット。積立投資ならばコツコツと貯金する感覚で続けられるので、はじめての投資におすすめです。少額投資ならば大損するリスクもなく、税制優遇も受けられるのが嬉しいポイント。株式投資のように投資の勉強や経験がなくてもすぐに始めることができます。